緊縛と言っても、それは決して拷問ではありません。相手との合意を得られた状態で行う行為であり、とても人間的な行為であると考えています。それゆえに、縛る側は、縛られる側の信頼を裏切るような事をしてはいけないと思います。その信頼に応える為に、最低限考慮しておかなければいけない事柄というものが存在するのではないでしょうか?縛られる側にあえて確認させたり自慢する内容ではないのかも知れませんが、さりげなく対応を準備、もしくは考えながら行為を行う事が出来るような縛り手でありたいと、私自身も思います。
以下に、緊縛において絶対に忘れてはならない心構え(心得)を記します。
これが何よりも一番に優先される事項であると思っています。
緊縛だからSMだからと言って、痛くても苦しくても当たり前ではないと思っています。確かに、痛みや苦しみを相手に与えて、相手がそれを快感として認識するという面がある事は否定しません。しかし、縛り手が想像も出来ないような痛みや苦しみを相手に与えるなどあってはいけないはずです。与える痛みや苦しみ(+快楽)の程度を、縛り手あるいはSとなる側が、コントロール出来て始めてSMや緊縛であると言えます。制御不能あるいは想定外な苦痛を与える行為は、ただの虐待です。ここを勘違いして、限度を超えたコントロールの出来ない苦痛を相手に与え「相手が苦しむ姿がいいんだ!」などと言っている人がいるなら、それは間違っていると思っています。
参考情報として、緊縛を行った場合に、どのような怪我や病気になる恐れがあるかについて「緊縛と怪我 (事故防止の為に)」ページにて記載しておりますので、ご参照下さい。
これから以降の内容は、全てこの安全を意識(前提に)した内容となります。
「縛り方」自体に直接関係しませんが、緊縛を行っている最中で、緊急事態が発生した場合への対応を確保しておく事は、非常に大事だと思います。
例えば、相手を縛りあげた状態で、火事や地震などの災害があった場合、あなたはどうしますか?身動きが取れない相手をおいて、自分だけ逃げ出しますか?災害などの要因だけではありません。緊縛のミスなどにより突然に相手が我慢出来ない痛みを訴えるようになった、緊縛やSM行為とは関係がないが、救急車を呼ばないといけない病気になった等、一刻も早く相手を休ませないといけないような状況に陥った場合に、のんきに一つ一つ縄を解いていきますか?そのような緊急の状況になった場合に、縄を切り最短時間で相手を解放出来るように、万能ハサミの一つぐらいは用意しておくべきです(本来はナイフと言いたいですが、最近は下手にナイフなどを所持していると銃刀法違反になりますので、現実的にはハサミになると思います)。
ただし、吊りなどを行っていた場合に、やみくもに縄を切ると相手が床に落下して二次災害になる場合がありますので、そのような場合でもどの順番で縄を切ればいいかを念頭に置きながら縛る必要があります。
また、意図的でもそうでないにしても、相手が擦り傷や軽い怪我をした場合に、後で簡単な処置が出来るように、消毒液や絆創膏、ガーゼ、擦り傷や内出血用の薬用クリームなどの応急処置の用意しておくべきだと思います。
プロでもアマチュアでも、複雑な縛りをしている人はもちろん、そうではなくシンプルな縛りをしているにも関わらず、人から注目される緊縛を行う人は、その縛り方にそれなりの原則というかポリシーを貫いているような気がします。これが見様見真似でやっている人は、その縛りからメッセージを感じられず、ただ身体に縄を巻きつけているだけになってしまい、縛りが中途半端に見えてしまっている事が多いのではないでしょうか。
また、ベースとなる考えがしっかりしていれば、自然と応用力もついてきます。例えば、相手の体格や縄への耐性、使っている縄の状態(太さ、長さ、硬さ)によって、いつも同じようには縛れないものです。それなのに、何処かで教えられた手順を丸暗記してるだけの人は、少し状況が変わっただけでも対応に困り、結局いいかげんな縛りでお茶を濁す事になります。
ただ、一言でポリシーとか原則と言っても、まさにこれが緊縛を行う人の秘伝とでも言いましょうか。皆が皆、一様に同じではない所が緊縛の難しい所でもあり、面白い所でもあります。また、緊縛を行う人がそれぞれ理屈でやっているわけではなく、身体と心で覚えていると言えばいいでしょうか?感覚的な部分も多分にありますので、なかなか人に伝えるのは難しい部分でもあります。
あるSMクラブの女王様に「緊縛の秘訣を教えて下さい。」と尋ねた所、返ってきた答えは「テキトー。」だったという話もあります。これは、どうでもいい「テキトー」ではなく、原則をしっかり押さえた上で感覚(感性)で縛っていると言う意味と考えていいと思います。
私自身も、まだまだ未熟ですが、それでも基本的な原則みたいなモノは持っています。ただ、人に伝える為の内容ではないので、上手く文章に出来るかどうか分かりませんが、記述出来る範囲で以下に記したいと思います。ただし、勘違いして欲しくないのは、私自身が、いつもここに記した内容を100%順守出来ている訳ではありませんし、状況に合わせて臨機応変に対応しています。また、緊縛の経験がある程度ある人は、異論反論もあるかと思います。ここに記すのは、あくまで一つの考え方であり、各個人や流派等によって様々な考えたがあるという前提であるという事をご理解下さい。また、ここに書いてある事を安易にマネをして、何らかの問題が発生しても、こちらでは一切の責任を負いかねます。あくまで自己責任で対応をして下さい。
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