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第1章 緊縛の前に

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05. 麻縄の縄尻処理

麻縄の両端(縄尻)の処理についてのお話しです。

本来は、縄をなめす前にやっておくべき内容です。

購入直後の麻縄
購入直後の麻縄

麻縄を緊縛で使用するなら、縄尻の処理は必ず行うべきです。

理由は、大きく分けて二つあります。

一つ目の理由は、麻縄は、麻を捻りよって縄状にしている為、何も処理をしないまま使用していると繊維がばらけて解れ(ほつれ)が生じてきてしまいます。
その解れを防止するのが目的です。

もう一つの理由は、ストッパーの役割があります。

緊縛をする場合、縄を二つ折して使用するのが基本です。そして、縄を二つ折した際の折った部分からを使用して縛り始めます。すると、縄の両端部分でその縄の縛り終わりになります。その部分で結ぶなり巻き付けるなりする訳ですが、そこから縛りが勝手に解けて(ほどけて)行かないようにする為のストッパーとしての役割を持たせます。
また、縄が短い場合に、縄を簡易的に繋げて使用する場合にも、ストッパーの役割をはたします。

次の写真は、縄の長さが足りなかった部分で簡易的に繋げて縛った例になります。

縄を繋げて緊縛した例
縄を繋げて使用した例

赤い枠の部分が、縄を繋げた部分になり、そこを拡大したのが次の写真になります。

縄を繋げた部分の拡大
縄を繋げた部分の拡大

詳しい方法は別項目に記す予定ですが、吊りなどを行わない限りはこの簡易的な繋げ方で必要十分な強度が得られます。とは言え、縄尻の処理が正しく行われている事が前提になります。
さらに、このように縄が簡単に繋げる事が出来る為、無意味に長い麻縄を所持する必要が無くなります。長い縄1本よりも短めの適度な長さの縄を数本所持していた方が、縛りのバリエーションも大幅に広がります。
初心者の方が、SMショップなどで販売されている15mなどといった縄を使ってる例をみかけますが、初心者に長い縄は非常に扱いが難しいのです。意気揚々と縛り始めたはいいが、縄が長すぎて余った縄の処理に困って無理やり団子状にまとめたり、そのまま何も処理せずに垂らしたままだったり・・・。その余った縄が、首に絡みついたり、ちょっとした移動で足をひっかけたりする危険性などまるで気にしない例を非常に多くみかけます。 ちなみに、私の場合、7m縄を二つ折りにして使用するのが基本となっています。

さて、ここから縄尻の処理方法の説明に入りますが、まず、決められた長さでパッケージして販売されている麻縄などは、縄尻にセロテープが巻かれていたり、細い紐で縛ってあったりします。
そのような処理がしてある場合は、必ずそれらの処理を撤去するようにして下さい。

購入直後の麻縄の縄尻
購入直後の麻縄の縄尻

さて、「縄尻に結び目を作る」と聞いて、多くの人が思いつくのが次の写真のような結び方ではないでしょうか?

多くの人が考える結び目の作り方
多くの人が考える結び目の作り方

いわゆる「固結び(かたむすび)」」あるいは「とめ結び」という結び方ですが、確かに「固」という文字通り固く小さな結び目が出来ます。縄の中心あたりに結び目を作りたい場合は、この結び方でも十分かも知れませんが、縄尻にこの結び方のだと結び目が滑って解けてしまう可能性が非常に高い結び目なので、絶対にやってはいけません。
(「固結び」と「堅結び」は異なる結び方です。)

では、どのように縄尻を処理すればいいのか?そのヒントは、登山やヨットで使われるロープワークと言われる技術の中にあります。
登山やヨットのロープワークというのは、そのロープに命を預ける為の技術になりますので、これに勝るものはありません。

そのロープワークのテクニックの中の一つに、「エイトノット」と呼ばれているものがあります。その方法が次の写真になります。

麻縄縄尻処理 エイトノット
麻縄縄尻処理 エイトノット

写真のように、縄を8の字の形になるようにして結び目を作るのが特徴です。

縄尻の処理を行う場合は、この「エイトノット」を使うようにして下さい。

あとは、縄を引っ張りしっかりと結び目を作り、余った縄を切断すれば完了です。

麻縄縄尻処理 エイトノット 完了
麻縄縄尻処理 エイトノット 完了

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