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第2章 緊縛の心得

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05. 緊縛の受け手の自己防衛・責任

前項の、「緊縛と怪我 - 緊縛事故の防止」でお話しした通り、緊縛にはどうしても危険がつきまといます。

私が以前公開していたブログやこのサイトでは、緊縛を題材にした写真を公開している事もあり、それらを見た方から、「縛ってほしい」との連絡を頂く事もあります。
私のようなレベルでもそうなのですから、プロの緊縛師や縄師の方、または他の緊縛関係のブログやサイトを運営している方の所にも、同じような問い合わせや依頼が届いているであろう事は容易に想像できます。

また、法律的な問題の有無は別にして、SM的な要素を売りにしたハプニングバーやSMバーのような所があります。
そのような場所で、緊縛に憧れを抱いているような人が、雰囲気にのまれてちょっと縛られてしまうと言った状況もあると思います。

様々なシチュエーションがありえますが、ここでは、受け手となる側(縛られる側)の方に、気をつけて欲しい事(自己防衛)についてお話ししたいと思います。

当サイトの撮影時の休憩風景1当サイトの撮影時の休憩風景2
当サイトの撮影時の休憩風景(スマートフォンでの撮影)
当サイトでは、モデルさんに休憩をとってもらい
体調の確認を行いながら撮影を行っています。

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・縛る側のレベルは様々

このサイトのモデルになってくれた女性から、次のような話を聞いた事があります。

【モデルAさん談】
「ハプバー(ハプニングバー)に行って、知らないオッサンが『俺の縛りは××(緊縛師の名前)に習ったからスゴイぞ!』って話をしてて、興味もあったから、その場の勢いで縛られてみたら、ギューギューに締め付けて痛いだけで我慢出来なくて・・・。ちょっと騒いだら周りの人が助けてくれたけど、そのオッサン『お前、Mだったらちょっとは我慢しろ!!』とか『いやなら最初からこんな店くるな!』ってスゴイ怒り出してさ~・・・。」

「有名な緊縛師や縄師に教わった」と言っても、どの程度なのか分かりません。1~2回くらい講習会に参加した程度かも知れません。
いずれにしても、相手に合わせて様子を見ながら縛るという基本的な事も出来ずに、分かった気になって自慢するような人に、彼女は縛られてしまったわけです。
おまけに、「Mは何をやっても喜ぶ」的な思い込みを押し付けて、縛った側は何も悪くないというような主張をされたのです。

いくらハプニングバーとは言え、初対面の相手に「自分の緊縛のテクニック」を自慢するような人間にまともな人はいないように思います。
いくら興味本位であったにせよ、相手がどんな縛りをするのか見た事もないような人に、安易に縛られてみるというのは非常に危険な行為です。

また、次のような話も聞いた事があります。

【モデルBさん談】
「緊縛関係のサイトやってる人(和風の襦袢姿の撮影がメイン)で、写真も綺麗でモデルを募集してたから応募して、ちゃんと『本番(SEX)はない』って確認したのに、当日縛られたら突然襲い掛かってきた。必死で抵抗したらあきらめてくれたけど・・・」

この場合、縛られる側が恐怖で抵抗出来ない、もしくは抵抗出来ないような縛りをされていたらどうなったでしょう?
私もモデルを募集してましたが、同じようにネットでモデルを募集している人の中には、このような人が実際に存在するのです。
「緊縛」は双方の同意の下で行われるのが基本ですが、同意した内容以外の事を無理やり行おうとするのは犯罪行為です。
しかし、緊縛した側が、その立場を利用して必要以上に自身の欲求を満たそうと考える事があっても不思議ではありません。

これらの問題は、緊縛される事に憧れを抱いている人にとっては、決して他人事ではありません。
このように、縛る側の人間にも、ピンからキリまで様々な人がいるのです。
ここで示した二人のモデルさんは、幸いにも事なきを得ましたが、水面下では被害に遭われている方も多いのではないでしょうか?

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・実際に被害にあった場合

では、もし、緊縛を受けた結果、神経損傷などの後遺症が残ったとか、同意なき性行為をされたなど、実際に何らかの被害にあった場合に、どういった対処ができるでしょうか?

・刑事事件として警察に届ける?
・民事的な制裁を目的に弁護士に相談する?

どちらの対応も、法律上は国民の権利として認められています。
そして、このような被害について相談を受け付けている弁護士事務所も存在します。

弁護士事務所の見解などでは、「被害者側に知識がなく、また危険性の説明を受けていない上での同意にて緊縛行為を施され、結果として身体的な損傷を受けた場合、証拠および医師の診断書等が存在すれば、相手に損害賠償請求する事も可能。(要約です。実際の判断は個々の事例によって異なります。)」などとなっています。

損害賠償請求は理屈上出来るとしても、被害に遭った側の立場や心理的な部分が問題となります。

同意もない状態で拉致されて拘束(緊縛)されたのならまだしも、一度は「緊縛」という行為を行う事に同意している訳です。

刑事でも民事でも訴えるならば、あなたの氏名やその他の個人情報をおおやけにした状態で、相手に対峙する必要があります。
そうなれば、家族や友人に「あなたが緊縛行為に同意した。」という情報がもれる可能性もあります。
そして、刑事でも民事でも、裁判となれば、あなたが行った行為は公的文書(裁判記録)として永久に残る事になります。

また、ホテルなどの密室で行われた行為であれば、あなたが「説明を受けていない」「無理やりだった」と証言しても、その証拠を求められる可能性もあります。
その場合、あなたの証言を立証するのは非常に難しい。不可能と言っても言い過ぎではない状態が殆どだと思います。
逆に、ネットなどで相手と約束をした場合、メールなどの記録であなたが「緊縛に関して同意をしている証拠」は残っている事になります。

すると、被害者が確実に裁判で勝てるという保証もありませんし、訴えたあなたの精神的なダメージはより大きくなる可能性があります。

結果的に、刑事告訴も出来ず、あなたが勇気を持って民事で訴えようとしても、良くて示談交渉で治療費+慰謝料で20~50万程度。しかも、弁護士費用などで手元には殆ど残らず、あなた自身は精神的苦痛や神経損傷などの怪我を背負って生きていくという事になるかも知れません。
(実際にどのような判断となるかは個々の事例で変わりますので、弁護士などの法律専門家にお問合せ下さい。)

悲しい事ですが、被害者の側に優しい世の中ではないと言うのが現実です。

(逆に、縛る側にも、事実ではない(虚偽の)被害で訴えられるというリスクがあったりするわけですが・・・)

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・事前の自己防衛がもっとも大切

結局、受け手(縛られる側)が、出来る最も大切な事は「事前の自己防衛」なのです。
初対面に近い相手と緊縛行為を行うのであれば、次のような事に気をつけて下さい。

・縛りを見た事もないような相手との緊縛行為は行わない。
・やたらと自慢するような人を信頼しない。
・相手が緊縛の危険性を理解しているか確認をする。
・お互いに正常な判断が出来ない状態(飲酒など)では緊縛行為は行わない。
・緊急時に縄を切断出来るハサミなどを準備しているか確認する。
・同意範囲を明確にする。(サイン付き文書で残すのがベスト)

そして、前項で述べた通り、緊縛の危険性を限りなく最小限に留める事は出来ても、100%の安全はありえない事を、縛る側、縛られる側、双方ともに認識しておき、「危ない」と思った時にはすぐに縄を解いて(緊急時は切断して)もらうという約束をしてもらって下さい。
(必要以上の我慢をしない。)

そして、冷たい事を言うようですが、緊縛という行為に同意した以上、双方に責任が発生する事を認識して下さい。
(もちろん、縛る側が細心の注意を払う必要がある事は当然です。)

お互いの事をよく知っていて、信頼関係が出来ている状態で緊縛行為を行うのが、本当は一番いいのですが、何事にも最初はあります。
その最初の行為で、一生の後悔をする事がないように、あなた自身で事前の自己防衛をするようにして下さい。

申し訳ありませんが、自己防衛に関して私が出来るアドバイスは、この程度になります。
緊縛行為では、縛られる側は圧倒的な弱者になります。用心してしすぎるという事はありませんので、本当に気をつけて下さい。

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